AOプロジェクト スキルアップ勉強会 アーカイブ

「理想の生徒像」を言葉にする
― 3層で考えるターゲット解像度の上げ方

漠然とした印象のままにせず、理想の生徒さん・保護者さんを「書けて言える」状態にする。集客・発信・レッスン設計のすべての出発点になる考え方とワーク。

講師 森西純子先生 司会 渡邊つばさ先生 2026.06.12 録画 72分 ▶ YouTube

なぜ言葉にするのか

「みんなに」ではなく「あの人に」と決めると、言葉は届きはじめる

手紙を思い浮かべてほしい。不特定多数へ向けた発信は、誰にも届かない。「○○さんへ」と宛先を決めた手紙のほうが、伝わる。集客や発信に身構えてしまう先生、「上手に書かなきゃ」と感じてしまう先生こそ、まず宛先を一人に決めるところから始めると書きやすくなる。

絞ることは、お客様を減らすことではない。
「選ばれる確率を上げる」ことです。

― 100円ショップの化粧品も、敏感肌用・乾燥肌用と分かれているから、自分に合うものを選べる

絞ると客が減る?

むしろ逆。「私のための教室だ」と感じてもらえるほど、選ばれやすくなる。一気に決めなくてよく、好きなものや性格からでも構わない。

すべての起点は「誰に」

発信・集客・レッスン設計・運営。そのすべてが、「誰に届けているか」が明確かどうかから始まる。

本日のゴール

氷山モデルで、理想の生徒さんを3層に分けて書き出す

見えている部分はほんの一角。その下に、もっと大切な「感情」と「行動」が隠れている。上から順に言葉にしていく。

水面 / WATERLINE STEP 1 属性層 見えやすい・水面の上 年齢・職業・家族構成… STEP 2 感情層 気づきにくい・水面下 なぜ学びたいのか STEP 3 行動層 どこで情報を得ているか SNS・検索ワード・口コミ
見えている「属性」の下に、本当に大切な「感情」と「行動」が沈んでいる

3つのステップ

上から順に、実在する一人をモデルに言葉にする

空想で創るのではなく、「今いる生徒さんの中で、こういう人がもっと来てくれたら」という実在の人物をモデルにするのがコツ。

STEP 1 / 属性層 水面の上 — 見てわかる情報

属性 ― 年齢・性別・職業・家族構成・ライフスタイル

見てわかる情報を書き出す。子ども対象の教室なら、保護者の属性子ども本人の年齢の両方を考える必要がある。自分で空想せず、実在する生徒さんをモデルにするのが大切。

STEP 2 / 感情層 水面下 — 気づきにくい内面

感情 ― なぜ学びたいのか、学んでどうなりたいのか

子ども対象の教室では、2方向の感情を考える。大人対象なら「本当はどうなりたいのに、なぜ動けていないのか」を代わりに言語化してあげる。

子ども本人 ― 通いたくなる理由
  • 英語は嫌いじゃないけど、ゲームや歌ならやる
  • 英語ができる子はかっこいいと思っている
  • 友達がいるならやってみたい
保護者 ― 入会を決める理由
  • 将来、英語は必要だと思う
  • 中学校で困らないようにしたい
  • 遊びだけでは不安、でも勉強ばかりもダメ
STEP 3 / 行動層 深い水面下 — 情報との出会い方

行動 ― どこで情報を得て、誰を信頼しているか

どのSNSを見ているか、どんなキーワードで検索するか(「大人の英語」か「40代 英語」か)、誰の言葉を信頼しているか。実際の生徒さんに直接聞くのが最も確実。ブレイクアウトでは「保護者はママ友の口コミの影響が非常に大きい」という実感も共有された。発信する場所だけでなく、相手が実際にどこから情報を得ているかを把握する。

言葉はこう変わる

「先生が伝えたいこと」から「生徒の気持ちへの答え」へ

レッスン内容・資格・教材・実績の紹介は、先生が伝えたいこと。読者が本当に知りたいのは「私にもできるのか」「続けられるのか」「安心して預けられるのか」。

BEFORE ― 漠然とした説明
AFTER ― 感情層が見えた言葉

「楽しく英語を学べます」

誰に向けたのか分からない。教室の説明・商品説明にとどまり、生徒や保護者の疑問には答えていない。

「英語が初めてのお子さんでも、同年代のお子さんと一緒にゲームや会話を通して、英語を少しずつ吸収します」

誰に向けているかが明確になると、言葉は努力しなくても自然に変わる。読者は反応を返さなくても、長く読み続けて問い合わせてくることも多い。反応がないこと自体は気にしなくていい。

場の土台

AOプロジェクトの行動指針

一人で教室運営を抱える先生が、安心して相談・学習・実践・得意の持ち寄りができる場を目指す。経験の長短や実績の大小で上下をつくらない。

01

安心できる場をみんなで作る

02

一人で抱え込まず相談する

03

学びを実践する

04

得意を見つけ、交流を通じて気づく

05

無理なく誠実に長く続ける

質疑応答

参加者の悩みに答える

クリックで回答が開きます。集客・発信・ターゲットの絞り方についての実践的なやりとり。

Qチラシやインスタを時々出しても反応がありません。
チラシの目的は即申込みではなく、まず存在を知ってもらい記憶に残すこと。3年前のチラシを持って体験に来た例もある。子どもがいない家でも、お孫さんがいる可能性があるので気にせず配ってよい。インスタもフロー型で埋もれやすいので、集客に使うなら週1回など曜日を決めて定期発信を。1回で申込みは来ず、何度も見て少しずつ信頼が積み上がる。
Qトークリールに挑戦したいです。アドバイスを。
先生のリールは専門用語が多く、一般の方には難しくなりがち。基本は30秒程度に収める。1分に近いならタイトルを画面に出し、字幕を入れる。1分を超えるならライブ配信のほうが向いており、アーカイブも残せる。
Q自分に合った集客方法を知りたいです。
リアル教室にはブログがおすすめ。記事が資産として積み上がり、何年前の記事でもGoogle検索でヒットする。地域名を入れると上位に出やすい。リールが好きならどんどん出してよい。大切なのは「自分に合った方法」より、自分が無理なく続けていける方法
Q英語教育に関心のない地方の親御さんへ届けるには?
英語の必要性をいきなり伝えても響かない。英語そのものではなく、保護者が普段感じている悩みや願いに目を向ける ―「自信をつけてほしい」「居場所を作ってあげたい」「人前で堂々と話せるように」。英語は手段、その先の子どもの成長や未来を発信する。実在の生徒さんの変化・保護者の声・教室の雰囲気を継続発信することも大切。
Q理想の人が複数浮かびます。一人に決める?創作する?
やったことがない方は、まず一人に決める。一番欲しい年齢層・クラス層から「この人みたいな人がもっと来てくれたら」という実在の方を選ぶ。慣れたら「高学年はこの人、幼児はこの人、大人はこの人」と複数に広げていけばよい。
Q保護者の情報源がインスタとは限りませんよね?
森西先生の実例 ― オンラインで見つける方はインスタ経由、対面教室に来る方は「地域名+英語教室」でブログ検索が多い。大人の生徒さんはFacebookからつながるのが最多で、特に投稿しなくても自然に増える。その方が自分の子にも、というケースも。分からなければまず一つ試し、続けられるものを一生懸命やる。
Qターゲットを絞ることに不安があります。
選ばれる確率を上げるために絞る」と考え方を切り替えると、少しずつ絞れるようになる。一気に決めなくてよく、好きなものや性格からでも構わない。大人の生徒さんは似た趣味・価値観の方が自然と集まる傾向がある。焦らず少しずつ。
Q発信しても埋もれそうで不安です。気にせず出していい?
はい、気にせず発信する。100点満点で出さなきゃと思うと窮屈になる。自分がOKを出せる合格点で出すことが大切。100点を目指さない。
Q入会した生徒さんはSNSを見ていません。どうしたら?
何を見ているか・どうやって教室にたどり着いたかを直接聞くのが一番早い。口コミや幼稚園・小学校でのつながりなど、リアルな経路を教えてくれるかもしれない。
QSNSの分析はしていますか?
森西先生は分析を実施している。具体的な方法は「また勉強会に組み込んでいく」とのこと。出しっぱなしにせず、投稿の結果を確認していくことが大切。
Q親は入会させたいのに子が「まだいい」。ターゲット外だった?
ご縁がなかったと思いましょう」。森西先生がターゲットにするのは「お母さんが習い事を決める人」。毎回子に「やる?どうする?」と確認するタイプは外れる。子が「まだいい」で入会しなかったなら、ターゲットから外れる方。先生のせいではなく、またご縁があればよい。
Qターゲットはどこまで絞ればいい?(まゆみ先生)
来る方全員を受け入れてうまくいっているなら、それ自体がすでに絞れている状態。うまくいかないケースが、外すべき部分。言語化が難しければ「含めたい人」ではなく「外れる人を言語化する」ほうが進めやすい ― 時間を守らない方・月謝が溜まりがちな方は自然と外れていった、という実例も。自分の価値観とずれる方を、発信の言葉で自然に外していけると、来る人全員OKに近づく。
Q英検マンツーマンで層が広く、中学受験利用が辛い。(ばば先生)
先生が気が進まないレッスンはやらないほうがよい。先生が大変になるだけ。高校生・大学受験のようにやりやすい層に集中する方向で、ターゲット外を決めていくやり方は有効。
Qブログを書いたことがありません。書き方を教えて。
ブログの書き方は、今後の勉強会で取り上げていく予定とのこと。

まとめ ― 完璧を目指さず、今いる生徒さんをヒントに

属性 感情 行動

3層で順に言語化していくと、発信の言葉は「先生が伝えたいこと」から「生徒・保護者の気持ちへの答え」へと自然に変わっていく。ターゲットを絞ることは排除ではなく、選ばれる確率を上げること。難しければ「外れる人を言語化する」逆のアプローチも有効。

完璧を目指さず、今いる生徒さんの姿をヒントに、少しずつ言葉にしていくことが、次の一歩。